「グローバル環境で活躍できる人材を育てる」ことを目的に、リカレント教育の提供や学校の運営を行うビジネス・ブレークスルー。同社では、自社のデータベースの安定運用のために「Cloud DB Doctor」を導入。データベース専任の技術者を置くことなく、トラブルの迅速な解決を実現できるようになった。
ビジネス・ブレークスルー(以下、BBT)は、経営コンサルタントとして著名な大前研一氏が1998年に設立した教育会社。「グローバル環境で活躍できる人材を育てる」ことを目的に、忙しく働く人でも場所を選ばずスキルを磨ける質の高いコンテンツとシステムを構築・提供するほか、日本初の遠隔方式による経営大学院を持つ「ビジネス・ブレークスルー大学(文部科学省認可)」を10年以上にわたって運営している。さらに、運営するアオバジャパン・インターナショナルスクールは、国際バカロレア(IB)の認定校と して、幼児園(1歳~)から高校まで一貫してI B教育を提供し、その裾野を広げている。
人材育成・教育の業界は、特にe-ラーニングにおいてコンテンツとシステムの提供会社が別々であるケースが多い。しかし「BBTは、e-ラーニングのコンテンツとシステムを共に自社で制作していますし、実体としての校舎を持つインターナショナルスクールも2013年より運営しています。これにより、従来の大学、大学院に加え、新たにK12(幼児園から高校)までに教育の範囲が広がりました。これらを三位一体で網羅的に取り組んでいるところが特徴です」と話すのは、BBTのシステム開発副本部長である原秀文氏。システム開発を統括するほか、クライアントサポート部の副責任者も兼ねている。
BBTでは、2012年のシステム更新の際に、SQL Serverの本格的なアセスメントをWinテクノロジの「SQL Server パフォーマンス アセスメント サービス」により実施している。しかし、データベース システムは運用していくうちにデータの量や負荷などの要素によって状態が変わり、問題が発生することがある。そこで、Winテクノロジの「テクニカル コンサルテーション サービス」を利用していた。これは1カ月単位の契約で、データベースに問題が発生した際に状況を確認してアドバイスを受けられるというもの。
しかし、局面によっては悩ましいこともあったという。「その日のうちに解決しないといけない問題が発生することもあります。それがテクニカル コンサルテーションの契約期間内であれば、Winテクノロジの豊富な知見によって解決していただけるのですが、そうではない場合には契約を結ぶところから始めなければなりません。しかも、問題を調査する際にはデータベースや状況に関する情報を提供しなければなりません。これでは当日のうちに対処することが難しくなります」と原氏は当時の課題を挙げた。
そこでWinテクノロジに提案されたのが「Cloud DB Doctor」であった。このサービスは、管理サーバーなどにデータ収集とクラウドへの送信を行うエージェントを入れることで、データベースの構成情報や稼働状況をWinテクノロジのエンジニアがモニタリングし、診断結果を「アセスメントレポート」として提供するほか、問題が発生した際にはプロフェッショナルサポートを受けることができる。当時は正式サービス開始前の試用という形であったが、早速利用したという。
Cloud DB Doctorの効果について、BBTのシステム開発部の姉崎真吾氏は安心感を挙げた。「まず導入においては、エージェントを本番のサーバーに入れる必要がないことに安心感がありました。また、マニュアルの通りに設定することで1時間もかからず導入できました。運用においても、データベースのログを常にWinテクノロジに送っているので、話が通りやすいですし、同じグラフやチャートを見ながら相談や質問ができることにも安心感がありました」(姉崎氏)。
Winテクノロジの知見の豊富さと技術の高さは、これまでのパフォーマンス アセスメントやテクニカル コンサルテーションの利用で十分に信頼していたと原氏は言う。「データベースに問題が発生したときに、すぐに解決できるようにするためには、Winテクノロジのような専門性を持ったスタッフが社内にいて、常時見守って状況を把握した上で何らかの手を打てることが必要です。しかし、それは会社が専任のスタッフを雇うことになり、その技能に相応な人件費がかかるわけです。そしてその人がデータベースの管理だけをずっとやっていくことを考えると、Cloud DB Doctorを利用した方が圧倒的に費用対効果が高い。それが決め手になりました」と原氏。 高い技能や知見を持つ専門のデータベース管理者を採用しなくても、同等の効果が得られる。しかも、ログを把握しているため最小限の情報提供で相談ができる。その部分に非常に価値のあるサービスであると原氏は強調した。
BBTでは、正式サービスへの移行後も継続してCloud DB Doctorを利用している。それから現在まで、一度問題が発生した。「突然、ログの量が増えてディスクの空き容量が急激に減るという状況になりました。問い合わせたところ、すぐに対応策をご提示いただいて解決に至りました。問い合わせも気兼ねなく行えました。『何でも聞いてください』と言われていましたので、実際に問い合わせをして安心感がより大きくなりました」と姉崎氏は言う。
原氏はCloud DB Doctorのメリットについて、「インターネットを検索することで、さまざまな問題が解決できるようになってきています。例えばデータベースに関しても、運用のちょっとした問題に対してインターネット検索によって多くの答えを得ることができます。ただし、日頃生き物のように動いているシステムに関しては、状況などによって正しい解決策が異なるので、経験のある人が知見を持って見ないとわからないことが多いと思っています。これだけインターネットの集合知が蓄積された現在でも、Cloud DB Doctorのサービスの価値は変わらないと感じています」と語った。
サービスへの要望をうかがうと、「クラウド サービスなので、今後の機能追加などにも期待しています。例えば、AI による機械学習でデータベースの状況から予兆をつかみ、問題が顕在化する前にWinテクノロジから通知や予防策を教えていただけるようになったら、より安心だと思います」と原氏。
BBTでは今後、プライベート クラウドで運用しているインフラを見直す予定であるという。その際にはデータベースも対象になるので、引き続きWinテクノロジと相談をしながら進めていきたいと原氏は締めくくった。